『子宮頸がん HPVワクチン』2022年11月11日南加賀学術講演会
[2021.11.03]
『HPVワクチンで若い女性を子宮頸がんから守りたい!』
演者:福井大学 産婦人科学講座 黒川哲司先生
座長:山上小児科クリニック 山上 正彦先生
- ヒトパピローマウイルス(HPV)は通常warts (いぼ)を引き起こすウイルスである。
- 多くの人は生涯1度以上感染する。性行為によって感染することが多い。
- 100種類以上あり、その一部が子宮頸がんの原因となる。
- 子宮頸がんの60-75%は、HPV16,18型が原因である。
- アジア人には52,58型が多い。
- 6、11型は尖圭コンジローマ(外陰部の難治性いぼ)の原因となる。
- ヒトパピローマウイルス(HPV)は、感染しても通常12-24カ月で自然治癒するが、より長期に感染する場合もある。
- 高リスク型HPV感染が3年以上続くと発がんの可能性が高まる。
- HPV陽性率は若年者で6人に一人程度、高齢者では50人に一人程度。
- HPVは、女性の子宮頸がんのみならず、男性の中咽頭がん、陰茎がん、肛門がんなどの原因にもなる。
- 子宮頸がんは妊娠可能年齢(20歳台~40歳台)に好発し、発症すると出産できなくなる可能性が高い。
- 出産後に発症した場合でも、幼い子供を残して亡くなるケースも多い。
- HPVワクチンは子宮頸がんの高い予防効果があることが多くの論文で証明されている。
- 海外の多くの国では、HPVワクチンの接種率は50%以上。スウェーデンでは85%(日本では現在1%程度)
- 予防接種ストレス関連反応(ISRR)は、あらゆる種類の予防接種によって起こり得るが、他のワクチンとHPVワクチンで差はみられなかった。
- 予防接種ストレス関連反応(ISRR)の多くは、特別な薬物療法なしに自然に治癒する可能性が高い。