メニュー

『心不全治療』2022年1月26日南加賀学術講演会

[2022.01.06]

南加賀(小松市、加賀市、能美市)学術講演会 2022年1月26日

特別講演『心不全合併心不全患者におけるARNIへの期待』

公益財団法人 心臓血管研究所 所長 山下 武志先生

座長 小松市民病院 循環器内科 診療部長 東方 利徳先生

サクビトリルバルサルタン(商品名 エンレスト)= ARNI (Angiotensin Receptor Neprilysin Inhibitor) を中心に心不全治療をテーマとして勉強しました。

 

  • かつて、心不全の治療薬は、利尿剤とジギタリスしか存在しなかった。
  • その後、ACIの登場によって心臓死は約20%低下した。
  • さらに、ベータブロッカーの登場によって約35%低下した。
  • さらにMRAによって約22%低下した。
  • さらに、今回登場したARNIをACIに変わって使用することで心臓死は約20%低下した。
  • 2014年のPARADIGM―HF試験はARNIがACIと比較して心不全治療に有意に効果があることを示す活気的なものであった。
  • ARNIの効果は個人差が大きい。約4分の1の患者さんはARNI投与後、BNPが著明に低下する(著効する)。ANP分泌の程度が影響していると考えられる。
  • 一部の患者さんはANP分泌不全の状態にあり、これが心不全悪化の要因となっている。
  • ARNIは、ブラジキニンやGLP-1濃度も上昇させる。
  • そのため血糖値を下げる効果もある。また、尿酸値低下も期待できる。
  • ARNIは心不全死を低下させるが、心臓突然死(不整脈)も減らすと考えられる。
  • 心房細動患者の約半数は心不全の状態にある。
  • 心不全患者さんの91%は高血圧が先行している。つまり血圧を低下させることが心不全の予防になる。
  • 高血圧を治療するなら血圧はしっかり下げる。(理想的には120台/70台まで)
  • ARNIは、心不全に加えて、高血圧治療薬としても適応追加された。
  • ARNIの半減期は約12時間。

HOME

最新の記事

『CKD診療における多職種介入の実際と効果』2024年5月22日(水曜日)小松市、能美市、加賀市学術講演会
2024年4月17日(水曜日)小松市、能美市、加賀市学術講演会 特別講演 『本邦における子宮頸がん予防~いままでのこと、これからのこと~』
2024年3月27日(水曜日)南加賀学術講演会 『アトピー性皮膚炎の長期寛解維持のストラテジー~モイゼルト軟膏の位置づけ~』
2024年1月24日(水曜日)小松市、能美市、加賀市学術講演会  『フレイルと過活動膀胱』
2023年11月9日(木曜日)小松市、能美市、加賀市学術講演会 特別講演 『EBMに基づいた2型糖尿病治療~インスリン・GLP-1受容体作動薬を中心に~』
2023年10月12日(木曜日)『令和の消化器外科診療と将来展望』南加賀学術講演会
『高カリウム血症の現状と課題~最近の国内疫学研究結果を踏まえて~』2023年8月30日(水曜日)小松市、能美市、加賀市学術講演会
『超高齢社会における適切な抗血栓療法 ~脳梗塞予防と頭蓋内出血回避を如何に両立させるか~』2023年7月12日(水曜日)小松市、能美市、加賀市学術講演会
南加賀学術講演会『腸内環境とサルコペニア』2023年6月14日
『2型糖尿病におけるSGLT2阻害剤の腎保護作用』南加賀学術講演会 2023年5月31日

ブログカレンダー

2024年4月
« 3月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME