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院長ブログ

『炎症性腸疾患』 2022年10月19日南加賀学術講演会(2022.09.01更新)

2022年10月19日 小松市、能美市、加賀市(南加賀)学術講演会

特別講演『IBD:炎症性腸疾患の診療~連携も含めて~』

演者:盛男医院 院長 高橋盛男先生

座長:小松ソフィア病院 院長 北原 征明先生

 

 

◆ 埼玉県越谷市にあるIBDクリニック『盛男医院』で500名以上のIBD患者を診療されている高橋盛男先生に講演して頂きました。

(私は知りませんでしたが、IBD診療に特化したIBDクリニックという名称はかなり一般的になっているようです。)

◆ IBD(炎症性腸疾患):inflammatory bowel diseaseは、潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)の二つの疾患の総称である。

◆ IBDは原因不明の疾患でありが、特定の遺伝的素因と環境因子が組み合わさった時に発症すると考えられている。

◆ IBDでは、主に小腸、大腸の粘膜に炎症が起こるため、下痢、血便、発熱、体重減少などの症状が出現する。

◆ UCの特徴:直腸からの連続性病変、びらん、潰瘍、長期かつ広範囲の病変が続くと癌の発生率が上昇。

◆ CDの特徴:非連続性病変、全層性肉芽腫性炎症、瘻孔、肛門病変(痔瘻)、縦走潰瘍。

◆ CDはUCより重症例が多く、CRPも高値となる症例が多い。

◆ IBDは全ての年代に発症するが、発症のピークは20歳台である。

◆ IBDの患者数は増加している。その多くは軽症患者である(このためIBDクリニックの必要性が高まっている)。

◆ 5-ASA(アミノサリチル酸)製剤が、IBD治療の中心である。ほとんどのIBD患者は5-ASA製剤で寛解する。5-ASA製剤を処方するときはフルドーズで使用する。

◆ 5-ASA 製剤は腸粘膜に直接付着して効果を発揮するため、効率的に大腸に到達させるための様々な剤形があり、使い分けが可能である。

◆ 5-ASA製剤に対するアレルギーにも注意が必要(難治性IBDと思われる症例の中に一定数存在するとの事)

◆ ステロイドは、IBDの寛解導入には有用だが、寛解維持効果はない。

◆ 2010年より生物学的製剤が使用可能となり、IBD、特にCDの治療成績は劇的に改善した。現在では生物学的製剤はCD治療の標準となっている。

◆ IBDに使用可能な生物学的製剤は、抗TNFα阻害剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ)の他、ベドリズマブ(抗α4/β7インテグリン抗体)、ウステキヌマブ(抗IL-12/23p40抗体)である。

◆ JAK阻害剤のトファシチニブ(ゼルヤンツ)、フィルゴチニブ(ジセレカ)、ウバタシチニブ(リンヴォック)はUC治療に使用可能である。

◆ ウバタシチニブは腎機能障害が存在する症例でも使用可能である。

◆ 使用可能な治療オプションの増加により二次無効例IBDにも対処可能となった。

◆ IBD治療の最大の目標は寛解維持であり、スムーズな病診連携、多職種医療連携が求められる。特に患者さんからのアクセスのしやすいIBDクリニックの役割が特に重要である。

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