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南加賀学術講演会『乾癬について(皮膚疾患)』2023年3月29日

[2023.02.26]

2023年3月29日(水曜日)小松市、能美市、加賀市学術講演会

特別講演『乾癬の最新治療』

演者:金沢大学附属病院 皮膚科 教授 松下 貴史 先生

座長:加賀市医療センター 皮膚科医長 木村 浩 先生

 

 

◆日本人における乾癬の頻度は全人口の0.1~0.3%である。欧米では乾癬は全人口の2.0~3.0%にみられるpopularな皮膚疾患である。

◆乾癬は多因子遺伝性疾患であり、家系内発症が多い。(欧米よりは低い)

乾癬は、いくつかのタイプに分けられる。

◆尋常性乾癬(plaque psoriasis)が最多であり90%以上を占める。それ以外には、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、汎発性嚢胞性乾癬(最重症タイプ、特定疾患)がある。

◆尋常性乾癬の典型的な皮膚症状は、かさぶたのような銀白色の厚い鱗屑(りんせつ)をつけた境界明瞭な紅色の皮疹である。

◆乾癬の皮膚症状は物理的刺激の加わりやすい膝、肘、腰、臀部、被髪部に好発する。

◆乾癬は、他の皮膚疾患との鑑別がしばしば問題となる。(白癬:いわゆる水虫、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、梅毒、円盤状エリテマトーデス、毛孔性紅色粃糠疹、うっ滞性皮膚炎、Bowen病など)

◆乾癬には爪病変も合併し、爪白癬との鑑別が大きな問題となる。デルマクイックなどの白癬の診断キットで陰性の場合、乾癬を考慮する必要がある。

◆乾癬患者さんの中で、約20%に関節炎が合併する(乾癬性関節炎)。乾癬性関節炎のほとんどは皮膚症状が先行するが、15%ほどで関節炎が先行する。

◆乾癬には肥満の合併が多く、肥満の軽減で皮膚症状も改善するため生活指導が重要である。

◆乾癬患者さんは心血管イベント発症が多いため、乾癬患者さんの平均寿命は約73歳と一般国民(約79歳)より短縮している。

 

◆乾癬の病理的特徴は表皮の過形成であり、その病態は表皮細胞の分裂時間短縮である。

◆Tリンパ球が乾癬の病態の中心的役割を担っている。T細胞のうち、Th17が暴走した状態が乾癬である。(Th2が暴走すると喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などが起こる)

◆Th17はIL-17を産生し表皮細胞の分裂を亢進させる。Th17の活性化に重要なサイトカインがTNFα、IL23である。これらのサイトカインがターゲットとして使用されているのが、現在使用可能な抗体製剤(生物学的製剤)である。

 

◆乾癬の治療は、外用療法、光線療法、内服療法、生物学的製剤に分けられ、ファーストステップはステロイドやビタミンDなどの外用療法である。

◆外用ビタミンDは表皮細胞の増殖、分化を抑制するが、効果発現が遅い。ビタミンDとステロイドとの合剤外用剤(ドボベットフォームなど)は高い効果を発揮する

◆内服治療としてはレチノイド(VitA誘導体)、免疫抑制剤、アプレミラスト(PDE4阻害剤)が使用される。

◆現在 乾癬に対して使用可能な抗体製剤(生物学的製剤)は11種類ある。大きく分けて、TNFα、IL-23、IL-17をターゲットにした3種類に分けられる。各薬剤は、高い効果を発揮し、それぞれの特徴があり使い分ける事が重要である。

 

 

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